新任教師にとって、学年の始まりと共に迎える「クラス目標設定」は大きな課題です。
新任時代を思い返すと、どの教室にも生徒たちが作成した熱心な目標が掲示されていました。
新人教師A: 「これはどうやって決めたのだろう?」
新人教師B: 「目標設定のコツを誰か教えてほしいな。」
このページを訪れたあなたも、同じような悩みを持っているかもしれません。
私もかつてはそうでした。
今回は、中学校での「クラス目標の設定方法」について詳しく説明しましょう。
クラス目標を設定する理由
学校では通常、学期ごとや年間を通じて目標を設定します。
私たち大人も自然に目標を立て、それに向かって努力することに慣れています。
しかし、目標を設定する本質的な理由とは何でしょうか?
それは、困難な状況で心が折れそうになったとき、自らを奮い立たせるためです。
生徒一人ひとりが自分自身の目標を持つこと、そしてそれをクラス全体の目標として共有し、可視化することの大切さを理解することは非常に重要です。
多忙を極める教師生活の中で、この基本に立ち返り、生徒たちと共にその意味を深く考えることで、クラス目標がより充実したものになるでしょう。
新たな視点で基本を見直し、その意義について考え直すことで、新しい発見が得られるはずです。
クラスは、一人ひとりの居場所であり、支え合うべき場所です。
得意なことで助け合い、困難な時こそ協力し合いましょう。
クラス目標が最も必要とされる時
クラスが順調なときだけでなく、何か行き詰まりを感じたときこそ、クラス目標がその真価を発揮します。
何か問題が起こったとき、 行事がうまく進まないとき、 日常のルーチンに乱れが見えたとき。
そういった時に、4月に共に決めたクラス目標を思い出し、「目標達成率はどれくらいか?」と全員で考えるのです。
道徳の授業を利用して、目標達成が困難な原因を分析し、どうすれば改善できるかを一人ひとりが考えるようにします。
このプロセスをグループで議論し、その成果をクラス全体で共有することで、自主的に考え、行動できるクラスを形成しましょう。
クラス目標は、困難を乗り越えるための一助となります。
これを賢く利用していきましょう。
クラス目標の設定プロセス
準備段階
クラス目標をただちに設定することは難しいものです。
そのため、私が常に行っている準備活動があります。
それは、クラスが目指すべき方向性を生徒に問うための事前アンケートです。
目標設定前に確認すべきポイント:
- 個別のワークシートを使って、生徒一人ひとりにクラスのイメージや目標を考えさせます。
- 学習、生活、行事の各面で具体的な目標を書き出させます。
- クラス目標に取り入れたいキーワードを提案させます。
討議の手順
生徒たちから提出されたアンケートを基に、まず学級委員にデータの集計を依頼します。
もし学級委員がまだ決まっていない場合は、教師が集計を行う方法もあります。
クラス全体の意見が集約された資料を用意することで、討議を円滑に進めることができます。
当日の進行は以下の通りです:
- 最初に、集められた意見を全員で共有します。
- 次に、グループごとに具体的なクラス目標を考えます。
- よくあるアイデアになりがちな場合は、教師がユーモアを加えてみるのも一つの方法です(私も苦手ですが試しています)。
- それぞれのグループが考えたクラス目標とその理由を発表します。
- 全体からのフィードバックを受けて、最終的なクラス目標を決定します。この際、必ず含めたいキーワードも確認します。
このアプローチで毎年クラス目標を設定していますが、時にはユーモアが足りないと感じることもあります。
今年は「面白さ」を取り入れたクラス目標を目指しています。
目標の作成方法には以下のようなオプションがあります:
- 各生徒が一文字ずつ書き、それをつなげて一つのメッセージを作る方法。
- 数人の生徒が自発的に目標を書き、それをクラスに掲示する方法。
どの方法もクラスに最も適したものを選びましょう。
まとめ
このプロセスがクラスでの最初の活動、「クラス目標設定」を成功に導く支援となることを願っています。